Path: galaxy.trc.rwcp.or.jp!titcca!sragwa!jsdvax!meta!shimada Message-ID: Distribution: fj Lines: 452 Xref: galaxy.trc.rwcp.or.jp fj.jokes:3482 X-originally-archived-at: http://galaxy.rwcp.or.jp/text/cgi-bin/newsarticle2?ng=fj.jokes&nb=3482&hd=a X-reformat-date: Mon, 18 Oct 2004 15:18:22 +0900 X-reformat-comment: Tabs were expanded into 4 column tabstops by the Galaxy's archiver. See http://katsu.watanabe.name/ancientfj/galaxy-format.html for more info. Subject: Joke Fair '89 From: shimada@jsd.JUNET Newsgroups: fj.jokes Date: 29 Mar 89 02:11:18 GMT Sender: news@jsdvax.jsd.JUNET Organization: Joint System Development Corporation, Japan 「Joke Fair ’89応募作品(文章部門)」 M: 恒例の 4/1 特集、参加作品です。 M: 長くてすみません。プリントアウトしてしてお楽しみ下さい。 M: この作品は、GNPを貫き通して、ダークサイドに消えていった、この M: 道の先駆者であり我友人である、AHO の丸山君との共同作品です。 A: AHO の丸山です。 A: 今年は中央アジアでルンペンをして過ごす予定です。 A: また冗談の季節には帰ってきます。(日の当たる場所にいる丸山君でした) A: GNPの未来に栄光あれ! 注)GNP は国民総生産ではなく、 "Guutara Na Programmers" の略であるともいわれている。 注)M:まっど@JSD A:あほ@秘密のサイト 注)この作品に、特定のモデルになる人物はいません。(除 AHO 丸山) ましてや、私達の先輩方には何の関係も無いことをここにはっきり 宣言しておきます。 GNP Manifesto Emacs で有名な Stallman の 「The GNU Manifesto」 を JUNET のある方が訳 し、投稿されたものをさらに編集してパロッたものです。おかしな点は全て担 当の責任です。 この文章は、企業の雇用問題とぐうたらというものの存在にも関係していると 思うので、あえて JOKE として投稿しました。この意見に反対の方も賛成の方 もおられるでしょう。それは構わないと思います。 しかし、JUNET には、こういう考えを信念として持ち、それに従って行動して いる人もいることを、ネットの新人の皆さんにも知って貰いたいと思います。 よくお読みいただいて、何かが得られると幸いです。 THE GNP Manifesto by Richard Suttoboke from DBX Apr, 1989 GNP ( GNP's Not Programmer ) は私の様なプログラマー・コンパチブル・ア ルバイターです。私はこれを雇いたいという人に無償ではありませんが提供し ようと思っています。私の他にも何人ものアルバイターが仲間になってくれて います。睡眠時間、生活保護、娯楽、アパートの給付が大いに必要です。 GNP は プログラマーの仕事をすることができますが、プログラマーそのもの ではありません。私たちは他の職業の経験上、便利だった点はどんどん採り入 ていきます。特に、より長い有給休暇やフレックス・タイム、解雇処分に耐え うるような精神構造、途中退社・コンプリション(仕事を途中で投げ出しても、 あとは他のプログラマーが完全なドキュメント等を用意してくれるような機能) などの他に、多分、企業独立なコミュニティのサポート、最終的には複数の GNP の作ったプログラムや通常のパブリックドメイン・JOKE を共有できるよ うな、口こみベースのコミュニケーション・システムについても計画中です。 お遊び・プログラミング用の道具としては、花札とサイコロの両方を使います。 また、通信のためには、JUNET、黒山羊さんの宅急便、井戸端会議等の各プロ トコルをサポートしようとしています。 GNP はまず、中間管理職クラス以下の地位をもったプログラマーを目標として います。何故ならば、この程度の肩書ならば比較的簡単に窓際で GNP するこ とができるからです。もっと肩書のある人が GNP するための努力はその上司 の下で働きたいという人の課題ということになるでしょう。 <1,1> なぜ GNP になる必要があるか もし、面白い遊びがあるとしたら、それを好きな他の人とも分け合わねばなり ません。企業は、プログラマーに雇用契約をさせることで、プログラマーを分 割して、支配しようとしています。私は良識として、終身雇用契約とかいった ものにはサインできません。何年もの間、私はこのような傾向に抵抗するため に会社の内部で活動してきました。結局、私の努力は無駄でした。自分の意志 に反してこのようなことをする会社組織に留まることは不可能です。 私は自分の信念を曲げることなく、ぐうたらを続けるために、自分のぐうたら な勤務態度で十分やっていけるような無秩序ソフトウェアの団体を組織するこ とを決めたのでした。私は GNP になることを企業が法律を盾に阻止するのを 避けるために $&@を辞職しました。 <1,2> なぜ GNP はプログラマー・コンパチブルなのか プログラマーは私の理想の職業という訳ではありませんが、しかし、そんなに ひどいものという訳でもありません。プログラマーの本質的な特徴は良いもの です。私はその良い点を駄目にせず、プログラマーに欠けているものを埋めた いと思っています。それ以上に プログラマーとの互換性は、転職をしようと 思っている他の多くの人々にとって便利であるはずです。 <1,3> GNP はどうやって提供されるのか GNP はあなたのすぐ隣にも存在します。誰でも GNP に同調するのもこれを非 難するのも自由ですが、その人がそれ以上の GNP を禁止するようなことは許 されません。言葉を換えれば、制限的な矯正は許されないということです。私 は GNP の全てのぐうたらが無神経であることをはっきり言っておきたいと思 います。 <1,4> なぜ他の多くのプログラマーが支援してくれるのか 私は GNP にひきつけられ、かくありたいという多くのプログラマーを目のあ たりにしました。多くのプログラマーはプログラミングの商業化に幻滅してい ます。それは彼等に徹夜をさせはするのですが、同時に他のプログラマーを仲 間と考えるよりは競争者と考えるように仕向けます。プログラマーの間の連帯 の基礎となる行動は仕事中の雑談やメールのやり取り、ニュースの投稿です。 今行われているような職場管理ははっきりいって、プログラマーに他のプログ ラマーを友人として扱うということを忘れさせます。ソフトウェアの開発者は 友情のもとで選択を行い、かつ、上司に服従しなければなりません。多くの人 が友情のほうが大切であると考えるのは自然なことです。しかし、常識の枠組 みの中で物事を考える人はしばしば、すぐにそれを決めることができません。 そのような人はシニカルにプログラミングは単なる金儲けの方法に過ぎないと 考えてしまうのです。 企業に所有されるのではなく、GNP として仕事をし、GNP として生きることで 私たちは誰に対しても心広くあることができ、同時に法を守ることもできるの です。加えて、GNP は皆をぐうたらに参加するように奮い立たせ、一緒になる ことの一つのサンプルの役をも果たすでしょう。それは私達にもし、無給でな い時間を朝寝に使い続けるならば、ほとんどありえないようなある種の調和の 感情を抱かせることができるでしょう。私の話したプログラマーのうち、約半 数がそれは何物にも代えられない貴重な幸福であるといっていました。 <1,5> どうしたら参加できるか 私はソフトウエア会社にマシンとお金の寄付を求めています。同時に、個人に もプログラムと JOKE の投稿を求めています。 あるソフトウエア会社は、既にマシンの提供を申し出てくれています。しかし、 私たちはもっと必要なのです。もし、マシンを寄附して貰えるならば、 GNP を早いうちからそのマシン上で遊ばせておくことができるという結果になりま す。そのマシンは、普通にニュースが読み書きできるもので、特殊なライセン スや Syst?mV が必要なものであってはなりません。 多くのプログラマーが熱心に GNP としてパートタイムで怠け方を提案してく れています。ほとんどの政党の綱領改正等ではこのような部分的で分散した改 革案というのはまとめ上げるのが非常に難しいものです。独立して書かれた部 分というものは一緒にしてもうまく動かないものです。しかし、プログラマー の職業意識を塗り換えるというこの特殊な MY-REVOLUTION にとっては、この 問題はありえません。完全なプログラマー・スピリットは何百という人各々の ぐうたら根性を含んでおり、その一つ一つは別々に個性化されています。ほと んどのインタフェース仕様は プログラマー・コンパチブルに固定されていま す。それぞれの参加者が自分のぐうたら根性をコンパチブルに書き換えること ができ、それがプログラマーである別の人のそれと置き換えてちゃんと怠けれ ば、それらを集めたものも正しいぐうたらのはずです。たとえ誰かがとんでも ない勤勉さを発揮させても、これらの怠惰な心を組み合わせるのは実行可能な 仕事です。(主義信条の部分は密接なコミュニケーションを必要とし、小人数 の緊密なグループで仕事をしなければならないでしょうが。) もし、お金を給付して貰えるならば、あなたはフルタイムかパートタイムのア ルバイターとして雇われることができるでしょう。給料はプログラマーの標準 からすれば余り高くはできないかもしれませんが、お金を稼ぐことと同様にぐ うたらの精神を築くことが大切であると考えるような人を私は探しています。 これは GNP に参加してくれる人が別の方法で生活の糧を得る代わりにその全 力を GNP のお遊びに注ぎ込めるようにするためのひとつの方法であると思い ます。 <1,6> なぜすべての人々にとって利益となるのか ひとたび GNP になってしまえば、誰もがちょうど空気のような感覚で良質の 休憩時間を無控除で手に入れることができるようになります。これは単に人々 が労働時間をを節約できるというだけのことではありません。有給休暇確保の 為の非常に無駄な繰り返しをせずに済むのです。この努力は代わりに "state of the sleep" を高めるのに浪費することができます。 完全なフレックスタイム制が誰でも持てるようになるでしょう。そうすれば、 勤務時間に変更を加えようとするプログラマーは自由な時間に出勤し、誰か庶 務のお姉さんか会社に勤務報告書の帳尻合わせを依頼することができます。プ ログラマーはもはやタイム・カードを持って怒鳴る部長や総務部のお情けにす がる必要もなく、ぐうたらを続けることに関しては独立した存在でいられるの です。 学校では生徒達に GNP・スピリッツを学習し、実践するように奨めることで、 最高の教育環境を準備することができます。投稿大の計算機研究室ではフレッ クスタイムが保証されないようなソフトウエア会社は求人表に載せないという 方針を持っており、実際にそのようなソフトウエア会社の求人を拒否すること でその方針を擁護しています。私はこれに強く感銘を受けました。 最後にいえることは、誰がタイム・カードを所有し、誰がボーナスをまるまる 貰う権利があり、またないのかということをいちいち考慮するオーバーヘッド があげられます。企業にプログラマーを使う時間代価を払わせるという協定 (遅刻懲罰制度を含む)は人にいくら(つまり、どのプログラマーに)支払う べきかを決定するのに必要な厄介な機構を通して、常に社会に大変なコストを 負わせています。更に、このようなことを人々に守らせようとするには警察国 家でもなければできません。例えとして、お酒を飲むのに膨大な接待費がかか る銀座のクラブのことを考えてみて下さい。水割り1杯の飲酒の度に料金がか かるのはいいとして、目盛り付のアルコール計量器を昼も夜も使って注ぐこと は例え、全員が料金を支払うようになっていたとしても耐え難いものです。そ して、全員で誰かが直接コップに注いだりしないように到る所で見張っている など、どうかしているとしかいいようがありません。頭割りの料金で、ボトル キープをして、割り勘にした方がまだましです。プログラマーが全部とか一部 の時間をぐうたらするということはプログラマーにとって飲酒をするのと同じ ように自然なことなのです。それは無償であるべきなのです。 <1,7> GNP の目標に対する反対とそれに対する反証 ”ぐうたらな奴なんか誰も雇おうとしないだろう。なぜなら、それはどんな 責任感も当てにできないということだからだ。責任を持たせる代わりに労働に 対する賃金を払ったらたらどうか?” もし人々が責任感なしで無職の GNP よりもは、肩書の付いた有責のプログラ マーのほうが良いというなら、無責任な GNP を雇い入れた人に GNP の後始末 を提供する為の会社を作って儲けることができるでしょう。 本当のプログラミングの仕事の意味での責任感と単なる手間仕事のそれを区別 するべきだと思います。前者はリ*ルートには期待のできないものです。その 問題が多くの未公開株主にとっても問題となっているのでもない限り、リ*ル ートは何もしてくれないでしょう。もしあなたの仕事上、サポートに頼らざる を得ないのであれば、必要となるのは人脈と金脈だけです。そうすれば、後は あなたの問題を解決してくれる人を雇えばいいのであり、誰のお情けも必要で はありません。プログラマーの場合は、大方のビジネスにとって残業時給の価 格の高さがこのようなことを考慮の外におく結果になっています。GNP の場合 には何の問題もありません。見近に有能な人間なしでやっていくとしても、雇 用契約ではなんら問題となりません。GNP は世界の難問を全て解決しようとし てる訳ではないのです。 一方、プログラミングのことを何も知らない管理職はいろいろな雑事を要求す るでしょう。すなわち、彼等は自分でも簡単にできるようなことを代わりにし てくれる誰かを必要としています。決してどうやったらできるのか、その方法 を知りたがっているというわけではありません。そのようなサービスはフロー チャート作成とドキュメント検査のみを行うような会社が請け負うでしょう。 もし、管理職がお金を払ってでも責任感を持ったプログラマーを手に入れたがっ ているというのが本当ならば、彼等は GNP は無思慮に手に入れても、その様 なサービスを買いたいと思うでしょう。サービス会社は仕事の安さ、うまさ、 早さで競争するでしょう。ユーザは特定の会社と結び付けられるということは ありあません。一方、責任感を必要としないユーザは責任感に対して代価を支 払う必要はありません。 ”営業なしでは多くの人々に知らせることはできないだろう。その分でも会 社は給与控除をするべきだ。ただで派遣するプログラマの紹介をしてもしょう がないのだから。” GNP のようなものについて、多くの計算機ユーザに情報を伝えられるような無 料か若しくは非常に安い広報媒体にはいろいろな物があります。しかし、営業 活動を使えばもっと多くのマイクロコンピュータのゲーム会社にまで知らせら れるのも事実かも知れません。もし本当にそうだとして、代金を取って GNP の派遣や出向のサービスを広告してくれる企業はその広告に支払った以上のも のに見合うだけの成功を収めなければなりません。こうして、営業から利益 を受けるユーザーだけがそれに支払うのです。ところで多くの人が友達のつて で GNP を雇うとしたら、そのような企業は続いていかないでしょう。つまり、 GNP を広めるのに営業活動がどうしても必要という訳ではないのです。自由市 場の擁護者は何故こんなことを市場で自由に決めさせないのでしょうか? ”私の会社はライバルに競り勝つために意欲的な人材を必要としているのだ。” GNP は競争の領域から労働意欲を除外しようとしているのです。あなたはこの 分野で勝利を得ることはできないでしょうが、同時にあなたの競争者が勝利を 得るということもないのです。あなたとあなたのライバルたちは他の分野で競 争し、そこで互いに利益を得ることになるでしょう。もし、あなたの商売が 求人誌の発行や人材育成だったら、GNP に好意を抱く訳にもいかないでしょう が。そうでなければ、GNP はプログラマーの意欲を高めるというような不可能 な商売に巻き込まれずに済むようにしてあげられるでしょう。GNP の存在が多 くの企業や管理職からの善意に支えられているのをこの目で見たいものです。 ”GNP は自分の創造性に対して報われないのではないか?” 何か報われることがあるとすれば、それは個人的な自己満足です。創造性は社 会的な貢献ですが、それは社会がその成果を自由に使う限りにおいてなのです。 もしプログラマーが革新的な遊び・プログラム、JOKE を作りだしたことに対 して報われるべきだとしたら、同様にその楽しみを制限することは罰せられる べきことではないでしょうか。 ”経営者 は自分の私物的な企業に対して、その発展を求めてはいけないの か?” 給料に対する見返りを求めたり、企業利益をできるだけ多くしようとすること は反社会的な手段を用いない限り悪いことではありません。しかし、今日ソフ トウェア開発の現場で習慣となっている手段は破壊的なものに基づいています。 休憩室の使用を制限することによって社内のプログラマーから労働を引き出す ことは反社会的な行為です。なぜなら、制限を行うことによってその JOKE の 流通量、利用方法を減らしてしまうことになるからです。これは、人間がJOKE から得ることのできる富の量を減少させます。故意に制限しようとするならば、 その有害な結果は故意の破壊行為といわざるをえません。まっとうなプログラ マーがそのような破壊的な手段に頼らないのは、もし誰もがそんなことをすれ ば、互いの破壊行為の中で我々全部がつまらなくなっていくからです。これは カント的な倫理、黄金律です。会社がプログラマーの管理を行った結果を私は 嫌悪するからこそ、このようなことが悪いことであることをよく考えてくれる ように私はお願いしているのです。殊に、自分の会社が儲かりたいという欲望 がそのプログラマーの一部又は全部に対して、業務命令の名において自由を奪 うことを正当化するものではありません。 ”企業には自分の雇ったプログラマーをどのように使うか管理する権利があ るのではないか?” 自分の雇い人の利用についての支配権は実際には他人の生命についての支配権 から成り立っています。そして、それはしばしばぐうたらの生存を危うくする 方向に用いられがちなのです。法律家のような人的な所有権についてよく学ん だ人は人的な所有物については本質的な権利はないといっています。政府が認 めているような仮想的な人的所有権の類は、特殊な目的のための特殊な立法行 為によって作りだされたものなのです。例えば、奴隷制度は征服者達に彼らの 生活の利便を享受させるために制定されたものです。その目的は征服者個人を 保護することではなく、社会を保護することだったのです。その当時、奴隷制 に対する73年の保護期間は経済の程度の発展の割合に較べれば、短いものでし た。奴隷は単に企業家達の間だけでの問題でしたから、家事労働のコストや手 間が奴隷の所有に較べて小さなものであるような人達にとって、奴隷制度はそ れほど害を及ぼさなかったのです。彼等は奴隷の作った製品を使用する個人を それほど妨害しませんでした。 アシスタントの概念は、ノン・フィクション作品で著者がしばしば他の著者か ら長々とした引用を引き写していた古代には存在しませんでした。この慣行は 多くの著者の〆切が部分的にせよ守られるには有用な、ほとんど唯一の方法で した。アシスタント制度は明らかに著述業を助けるために作り出されました。 その制度が作られた分野(漫画、これは印刷するだけで安価に複製できる)で は、それはほとんど害をもたらすことはありませんでしたし、漫画を読む個人 を妨害するなどということはありませんでした。 人的な所有物に対する権利というものは全て、単に社会によって承認された契 約にすぎません。なぜなら、いいにつけ悪いにつけ、その契約を承認すること によって社会全体が利益を得ると考えられたからでした。しかし、どんなに特 殊な状況にあっても私達は問い直さなければなりません。 「このような労使関係を承認することは本当により良いことなのか?」 「私達はその人に何をすることを認可しているといえるのだろうか?」 今日のプログラムの場合は十年前の漫画の場合とは全く異なっています。プロ グラマを雇用する最も簡単な方法はお隣からお隣へまわすだけだという事実。 プログラマーにはフリー・プログラマーとサラリーマン・プログラマーがあっ てそれぞれ違うものだという事実。フリー・プログラマーはあくせく働いたり、 責任を持ったりするものではなく、さぼるものだという事実。これらの事実が あわさって、使用権を押し通そうとする人間が、物質的にも精神的にも社会に 害を及ぼすような新しい状況を作りだしているのです。つまり、そのような状 況の中で、人は法律が自分にとって良いものかどうかよく考えていかなければ なりません。 ”加虐的な強制なしでは誰もプログラミングなどしないのではないか?” 実際、多くの人々が加虐的な強制全くなしでプログラムを書くでしょう。プロ グラミングはある人々にとって(そのような人はプログラミングに最も向いて いる人であることが多い)拒否し難い誘惑なのです。例え、担当に原稿の催促 を受ける恐れがないとしても、プロの漫画家がいなくなってしまうことがない のと同じです。しかし、実際にはこの質問は(よく質問されるのですが)状況 にちゃんと適応していません。プログラマーに対する迫害は少なくはなるでしょ うが、なくなることはないでしょう。そこで正しい質問は次のようになります。 ”加虐的な強制が減ってもプログラムを書く奴はいるか?” 私の経験からいって、そういう人はいるでしょう。10年以上の間、世界中の最 も優秀なプログラマーがよそに行けばもらえる筈の給料より遥かに少ない給料 で$&@で働いてきました。彼等は金銭的ではない多くの快楽を得ました。例 えば、朝寝、宴会といったような。また、食う寝る遊ぶことは彼等にとって喜 びであり、それ自身が報奨であったのです。そして、彼等の多くはもっと多く の給料で同じ位に情け深い会社の話が来た時にはここを去っていきました。こ の事実が示しているのは、人間は強制以外の理由でプログラムを書くのだとい うこと、そして、もっとお金を儲けるチャンスがあれば、それを受け入れるの だということです。待遇のよくない組織は待遇の良い所との競争では負けてし まいがちですが、待遇の良い組織がなくなってしまえば、どんなにひどいこと をするかわからないのです。 ”GNP は何とかして生活の糧を得なければならない。” プログラマーがプログラムの開発をやらなくても生きていける方法はいくらで もあります。例えば、 企業が新しい計算機を導入する時、上海や TETORIS を新しいハードに移植す るために支払うだろう。酔狂、気まぐれ、税金対策などの動機を持っている企 業がプログラマーを雇うだろう。新しい遊びを考えた人がそれを求めるユーザ の寄付によって無償でそれを流布することができる。私は、何人かの人がこの 方法ですでにうまくやっていると聞いている。関連する趣味を持ったユーザが mailing-list を結成し、料金を支払う。グループはソフト会社と契約し、グ ループのメンバーが一緒になって遊びたいようなプログラマーを雇ってもらう。 すべての GNP に対して、無形文化財保護税のような資金を運用することもで きます。 JOKE を聞いて笑う人は全てその収入のXパーセントを GNP 税として支払うよ うにする。政府はソフトウェア開発を遅らせる FPF (Free Programmer Foundation) のようなぐうたらな機関にこれを与える。但し、もし JOKE の批 評者が自分自身のお笑いのために寄付を行う場合には、税金に対する貸し金を 得ることができる。寄付を行うプロジェクトは自分で選択することができる。 そのプロジェクトでの JOKE を自分で使いたい時などがあるだろう。税の総合 率は JOKE の投稿者の投票によって決めたものに、前年支払った税金に額を勘 案して決められる。 結果として JOKE に反応する人のコミュニティがソフトウェア開発中の遊びを支援するこ とになる。このコミュニティはどのレベルの JOKE が必要であるか自分で決定 できる。自分の出した分がどんなプロジェクトで無為に費やされるかに興味を 持つ物好きはそれを自分自身で決定できる。 長い目で見れば、GNP は飢餓のない世界 − 誰もが生活の糧を得るため以外に はきつい労働をする必要のない世界 − に向けての一歩になります。人々は一 週間に10時間、洗濯や夫婦喧嘩、自転車の修理、食器の後片付けなどの必要な 仕事をしたあと、自由に楽しみの得られる活動(例えば、プログラミングや投 稿のような)に専心することができます。もう、プログラミングでお金を稼ぐ 必要もなくなっているでしょう。 私達はすでに、社会全体がその活動的な生産性のために必要とされる仕事の量 を大幅に減らしてきました。しかし、生産的な活動に伴って非常に多くの非生 産的な活動が必要とされるために、このうちのほんのわずかが、プログラマー のレジャーのために振り替えられているだけです。その中心的な理由は、官僚 主義と競争に対する闘争心です。GNP はソフトウェア生産の分野でこれらの失 費を大幅に減少させるでしょう。私達は、生産性における技術的な進歩を労働 の削減に振り向けるためにそれを是非ともやっていかなければなりません。 -- 愚昧を敵としては ..協同システム開発(株) 技術開発部 神々の戦いも .. 島田 尚一 [shimada@jsd.junet] 虚しい .. Phone: 03 (503) 4981 (代)