GPSDRIVE

GPSDRIVE

Section: Misc. Reference Manual Pages (1 )

NAME

gpsdrive - GPS 位置を地図上で表示する

SYNOPSIS

gpsdrive [options]

DESCRIPTION

Gpsdrive は、自動車の(バイクの, 船の, 飛行機の)ナビゲーションシステムです。 貴方の現在位置を地図上に表示します。他にも多くの機能が実装されています。

GpsDriveは NMEA 規格の GPS 受信機を使って、拡大/縮小できる地図画面に現在位置を 表示します。表示される地図は、現在位置に合わせ、設定した縮尺に合うように、 自動的に選ばれます。

GpsDriveはGARMIN GPS III と Crux II GPS PCMCIAカードでテストされました。 シリアルポートのあるGarmin GPS受信機は全て利用可能だと思います。 他のNMEAプロトコルをシリアル出力しているGPS受信機もGpsDriveで使えるでしょう。

以下のGPS受信機はgpsdriveで動くことが知られています:

Magellan 310, 315, 320
Garminn GPS III
Garmin etrex
GPS 45
Crux II GPS PCMCIA card
Holux GM-200 serial version
Holux GM-200 USB (needs USB to serial support in kernel)
eMap
GPSMAP 295
GNS 530

使用上の注意: 航海/航空ナビゲーションには使用しないで下さい!

OPTIONS

-d
少しのデバッグ情報を出力します
-D
たくさんの少しのデバッグ情報を出力します。 何か問題があったり、プログラムが死んだりする時は、 この出力を著者に送ってください。これを-dと組み合わせる必要があります。 BUGSセクションも読んでください
-v
プログラムバージョンとmainファイルgpsdrive.cのCVSバージョンを一緒に表示します。 バグレポートにはこの出力も含めてください
-h
短いヘルプメッセージを表示します
-o '出力ファイル名'
このオプションで、 NMEA出力センテンスをPTYマスター、ファイル又はシリアルデバイスに 書き出す ことができます。 他のGPSアプリケーションにテストデータを提供するために、 GpsDriveをシミュレーションモードで使う時には便利です
-t 'デバイス'
シリアルポートデバイス (例: /dev/ttyS0 )。これは setup メニューでも設定できます。
-l '言語'
音声出力する言語を指定します。 festivalの音声ファイルを用意しなければなりません(下記参照)。 いまのところ、 german (ドイツ語)、 spanish (スペイン語)、そして english (英語)が指定可能です。
-x
メニューボタン、ステータス、地図に別個のウィンドウを開きます。 Compaq iPaqやヘッドマウントディスプレーのような画面の小さな機器を 使っている時には、メニューを画面裏に隠したりできて助かります。
-s '高さ'
自動設定された縦幅が気に入らない時、画面の縦幅(ピクセル単位)を設定します。 高さ は、例えば 768,600,480,200
-r '幅'
自動設定された横幅が気に入らない時、画面の (ピクセル単位)を設定します。 -s と一緒に組み合わせて指定されたときだけ有効になります。
-f 'フレンドサーバ'
他の人と位置情報を交換するために使うフレンドサーバを設定します。 自前のフレンドサーバを、同梱されているプログラム friendsd を使ってサービス開始することもできます。
-n '名前'
フレンドサーバモードで貴方のアイコンに表示される 名前 を設定する。
-1
タッチパッドのように、マウスに1つしかボタンがない時の、特殊モードを設定する。
-a
電池残量の表示をなくす。APM-BIOSの実装が壊れている機器があり、 そのせいでgpsdriveがクラッシュする時は、このオプションを使います。
-b 'サーバ名'
リモートNMEAサーバを使う。他のGPS受信機が接続されている host でgpsdを起動し、ローカルマシンで位置を表示することが可能です。 することが可能です。
-c 'ウェイポイント名'
シミュレーションモードの初期位置をセットする。 現在使用しているウェイポイント一覧から ウェイポイント名 を指定する
-q
SQLサポートを停止する。SQLサポート機能を有効にしてコンパイルした時だけ有効。

GPS受信機を接続する

まずGARMINモードかNMEAモードのどちらを使いたいか選ばなければなりません。

NMEA モード
通常使われるモードです。殆どのGPS受信機でサポートされています。 NMEAモードを使うには、提供されているプログラム、 gpsd を起動しておかなければなりません。 このいちばん簡単な方法は、設定メニューでパラメータの設定をしたあと、 GpsDriveメニューの Start GPSD ボタンを押すことです。
このプログラムはバックグラウンドでデーモンとして動作し、 ポート番号2947でGPSデータを送信するサーバ機能を提供します。 gpsdを自分で(シェルなどから)起動した時、 /dev/gpsと4800BPSの設定がコンパイル時に初期設定されています。 GpsDriveから起動した場合は、 Settings メニューで定義された設定が使われます。

gpsdの設定を変更することもできます。例えばttyS1にするには、
gpsd -p /dev/ttyS1
のように起動します。

しかし上で述べたとおり、GpsDriveの中で設定するほうが簡単です。

GPS受信機側で、NMEAプロトコルと4800BPSボーレートを確実に選択してください。

GPSの出力を見るには、 telnet localhost 2947 を実行し、 接続が確立された後、 R キーを入力すると、NMEAセンテンスが見られます。

使用される NMEA センテンス
下記の NMEA センテンスがそれぞれ指定された情報用に使われます:

GPRMC: 位置、速度、進行方向
GPGSV: 衛星信号レベル表示
GPGGA: 高度(利用できない受信機もあります)と、GPRMCが使用できない時の位置。 この場合、速度と進行方向はGpsDriveで計算します。
PGRME: EPE (estimated position error)を表示する。 恐らくGARMIN受信機だけで利用可能。
(訳注:EPEは位置誤差の見積もり値のことか?)

GARMIN モード
個のモードでは、プログラムは緯度/経度データしか受け取らず、 速度と方向はプログラム自身が計算します。衛星信号レベルの表示もありません (このデータはGARMINプロトコルではサポートされていません)。

GARMINモードはより速く通信できます (1秒間に1パケット以上、NMEAモードでは2秒間に1から2パケット程度)。 しかしプログラムの計算が重くなるので、トータルでは速くはならないでしょう。

Garminモードを使いたいなら、GPS受信機をシリアルポートに繋ぐだけです。 GarminモードはGARMIN受信機の一部でしか提供されていません。

GpsDriveは、設定メニューで有効になっていれば、GARMINかNMEAかの モードを自動検出します。 私ならNMEAモードの使用をお勧めします。

GARMINプロトコルサポートなしのコンパイル方法

GARMINプロトコルが必要ないなら(例えばNMEAしか使わないなら)、 GpsDriveをGARMINプロトコルサポートを入れないでコンパイルすることができます。 それはこのようにして行います:



./configure --disable-garmin

make clean

make

su

make install

こうするとより小さくて速い実行形式を作れる利点があります。

使い方

GpsDriveはGPS機器を繋がなくても使えます。そうした時は、 GpsDriveは自動的に シミュレータモード で開始され、 地図上でポインタを動かすことができます(設定メニューで有効にしてあれば)。 シミュレータモードで使う時は、動いているgpsdがないことを確認してください。

地図ダウンロード

インターネットから Download ボタンで簡単に地図をダウンロードできます。 Mapblastサーバ(www.mapblast.com)か Expediaサーバ(www.expedia.com)の どちらかを選ぶことができます。

gpsfetchmapgpsfetchmap.pl と言う、広域に渡る多くの枚数の地図をダウンロードするための プログラムもあります。
もしこれらの地図を使いたい時は、 www.mapblast.com www.expedia.com の著作権情報に注意してください。

ルート計画

いまのところルート計画機能はありません。ルート計画には商用地図と 10ユーロ以上の費用のかかるデータベースライセンスが必要となるでしょう。

PROXY SERVER

もしproxy server経由でインターネットにアクセスしなければならないなら、 環境変数 HTTP_PROXY または http_proxy を、適正に、 http://proxy.provider.com:3128 のように設定しなければなりません。 この例での3128はproxyポートです。

マウス操作

"P"キーを押すかメニューでこのオプションを選ぶと、 Position mode をONにすることができます。

そして、マウスを左クリックすると、カーソルが四角になり、 現在位置が表示されなくなります。 ズーム(拡大/縮小)をしたり、スライダーで他の地図縮尺を選んだりすると、 四角いカーソルのある位置が、実際の現在位置であるかのように、 その場所の地図の拡大/縮小ができます。

表示画面の端近くで左クリックすると、GpsDriveは地図をスクロールするか、 地図の端にいるときは次の地図をロードするかします。

マウスの中ボタンでは通常のモードに戻ることができます。 "P"キーを押したり、メニューの"Pos. mode"を選んでも同様です。 右ボタンで目標地点をクリックしても、同じです。 Shift-左クリックやshift-右クリックで、地図の縮尺が変わります。

実際のマウス機能やキーショートカットについて知るためには、GpsDriveの Help メニューも見てください。

新しいウェイポイントを追加する

新しいウェイポイントは簡単に2つの方法で追加できます:

o 新しいウェイポイントを (GPSの) 現在位置 に追加するには、 単にCTRLを押しながらマウスで右クリックします。 x キーを押しても同じです。

o 新しいウェイポイントを マウスの位置 に追加するには、 単にCTRLを押しながらマウスで左クリックします。 y キーを押しても同じです。

ポップアップウィンドウで、ウェイポイント名(空白は下線に変換されます)と ウェイポイントタイプ(定義済みのウェイポイントタイプは下記参照)を 追加してください。 テキストフィールドに入力して新しいウェイポイントタイプを作ることも、 一覧から定義済みのウェイポイントタイプを選ぶこともできます。 重要: (SQLモードの場合のみ、)一覧は定義されたウェイポイントタイプでなく、 すでに使われたウェイポイントタイプを表示します。

ウェイポイントのアイコン

ウェイポイントタイプの名前は自由に付けることができます。 しかし、GpsDriveには特別なアイコン表示を伴う特別なタイプ名があります:

WLAN
公開されたWLAN(無線LAN)アクセスポイント
WLAN-WEP
暗号化されたWLAN(無線LAN)アクセスポイント
Rest
レストラン、食堂
McDonalds
レストランの一種
BurgerKing
別のレストランの一種
Hotel
ホテル、旅館
Shop
店舗
Monu
モニュメント、観光スポット
Speedtrap
鼠捕り(レーダー)、前方にあるときは警告を発する
Nightclub
ひ、み、つ...
Airport
空港
Golf
ゴルフコース
Gasstation
ガソリンステーション
Cafe
コーヒーラウンジ

以上の名前は、大文字小文字の区別があります。

実際のウェイポイントタイプの一覧は README.SQL を見てください

SQL support

たくさんのウェイポイントを管理するには、SQLサポートを使うといいでしょう。 これにはSQLサーバをマシンにインストールしておかなければなりません。 現時点ではMySQLだけがサポートされています。

恐れることはありません、MySQLは多くのリソースを必要としませんし、高速です。 ウェイポイント管理が(ウェイポイントタイプ選択も含め)ずっと簡単になります。 SQLモードでは setup メニューで表示されるウェイポイントから選ぶことができます。

SQLデータベースの設定方法については、README.SQLを読んで情報を得てください。

ルート

ルートはウェイポイントのリスト(つながり)です。 GpsDriveは、ルート上の1つのウェイポイントから次のものへ案内します。 ルートへのウェイポイントの追加を、 ウェイポイントウィンドウで、(ポイントを選ぶことで)できます。 ウェイポイントにコメントをつけることもでき、そのコメントは、 音声出力システムで声で案内され、 地図画面上でも、スクロールするテキストとして、表示されます。

ルートのコメント

コメントをつけるためには、ウェイポイントファイルと同じ名前で、 サフィックスだけ.dscに変えたファイルを作ります。 例えば、way-trip.txt と way-trip.dscです。 そしてway*.dscファイルに、コメントを入力します。こんな感じで:

$waypointname(ウェイポイントの名前)

さあ右に曲がろう、バーがあるぞ

$nextwaypointname(次のウェイポイントの名前)

別のコメント....

コメントの長さに制限はありません。 行を'$name'で始めることと、コメントを次の行に書くことが重要です。

KISMET support

Gpsdriveは kismet をサポートしています。 Kismetは802.11b無線ネットワーク(WLAN)の探索システムです。 kismetが動作していると、gpsdriveはそれを検知し、プログラムを開始し、 新しいWLANアクセスポイントをリアルタイムに地図上に表示します。 GpsDriveをKismetモードで動作させるには、SQLモードが必要です。 以前の探索ですでにSQLデータベースに蓄積されたWLANアクセスポイントは 無視されます。gpsdriveで音声出力を使っていたら、 新しく見つかったアクセスポイントの情報を聞くことができます。

README.kismet も見てください。

多言語対応

このプログラムをインストールした時、貴方の自国語がLANGまたはLANGUAGEに 設定されていたら、プログラムは英語、ドイツ語、フランス語、 イタリア語、オランダ語、デンマーク語、ハンガリー語、スロバキア語、 スウェーデン語、トルコ語、またはスペイン語でメッセージを表示します。 LANGUAGEは他の設定を上塗りし無効にします。 "locale"コマンドで設定を見ることができ、 LANG又はLANGUAGEが設定されてたら、"set"コマンドを使います。 ドイツ語ならこうします:

export LANGUAGE=de

そしてgpsdriveをこのシェルで起動します。

または言語をシェル環境に設定することなく、一行で起動することもできます。
LANGUAGE=de gpsdrive

システムによってはLANGUAGEの代わりにLANGを使う必要があります。

貴方の自国語が使えなければ、そして翻訳版を作りたければ、 私にコンタクトしてください。

音声出力

音声出力が欲しければ、festival音声出力システムをインストールする 必要があります。 http://fife.speech.cs.cmu.edu/festival を参照して下さい。

ドイツ語の出力には、ドイツ語のfestivalを、 www.ims.uni-stuttgart.de/phonetik/synthesis/index.html から得なければなりません。

機能するfestivalソフトウェアを持っているなら、サーバとして起動します:

festival --server

GpsDriveをスタートした時、ポート1314にサーバを検知し、 状態情報を音声として出力します。別のボタン(消音)もあり、それで音を消せます。

GpsDriveはlocale(現地語)に合った言語を選ぼうと試みます。 -lオプションを使うと、音声出力の言語を指定することができます。 現時点では、英語、スペイン語、ドイツ語がサポートされています。 GpsDriveはfestivalを適合する言語に設定します。 初期化がうまくいかなければ、 gpsdrive.c を覗いてみてください。 そして、次のデファインを必要に応じて編集してください:

#define FESTIVAL_ENGLISH_INIT "(voice_ked_diphone)"

#define FESTIVAL_GERMAN_INIT "(voice_german_de3_os)"

#define FESTIVAL_SPANISH_INIT "(voice_el_diphone)"

そのため、英語には音声ked_diphoneが、ドイツ語にはgerman_de3_osが、 (これはMBROLAの声です(this is a MBROLA voice ?)) スペイン語にはel_diphoneが必要です。

現在は英語、ドイツ語、スペイン語を含むfestivalの非公式ビルドがあります。
GpsDriveのホームページの ミラー から、それを ダウンロード して、rootになって そのTarファイルを/usr/localディレクトリで解凍して下さい:

cd /usr/local
tar -xvzf festivalbuild.tar.gz

サーバを以下のように起動します
/usr/local/festival/bin/festival --server

FRIENDSD サーバ

friendsd と呼ばれるサーバプログラムがあります。 これは貴方の仲間の位置を知らせるサーバとして働くものです。 貴方がサーバに gpsdrive -n (貴方の名前) -f yourserver.com(サーバのURL ?) として接続すると、貴方はそのサーバに接続されている全てのgpsdriveの 現在位置を見ることができます。 (貴方の名前) が一単語で中に空白を含んではいけないことに注意してください。

サーバはポート50123(TCP)を使います。 貴方のファイアーウォールのそのポートが開いていることを確認してください。 サーバはroot権限を必要とせず、一般ユーザまたは権限のない専用ユーザで 動作させるべきです。このサーバはセキュリティのテストはして*いません*

FRIENDSD データフォーマット (バージョン 1)

データタイプは1つだけです: POS(現在位置)、フォーマットは以下のとおり:

POS: Fritz 47.082181 15.402043 18:11:42 101 38

その意味するところは

コマンドタイプ 名前 緯度 経度 時間(GMT) 速度(km/h) 方向(degree)

MAILING LIST

メイリングリストのアドレスは gpsdrive@warbase.selwerd.nl です

subscribe gpsdrive と言う文字列を含むメールを

majordomo@warbase.selwerd.nl 宛に送信することで、参加できます。

BUGS

著者にバグレポートを送ってください。 レポートでは、バージョン(gpsdrive -v)、画面サイズと、 どのようにしてバグを再現するかの情報をお知らせください。 -dオプションをつけたgpsdriveをしばらく実行して、 その出力を送って頂けても、大変助かります。

gpsdriveがセグメント違反でクラッシュする時は、 プログラムのバックトレースが必要です。バックトレースをとるには:

Tarファイルを解凍して、gpsdriveディレクトリに行き、以下を実行します

./configure --with-debug

make clean

make

cd src

gdb ./gpsdrive

デバッガーの中で以下を実行します:

run (引数をつけたときは、runの後につけます)

セグメント違反が起きたところで:

bt

そしてこの出力を私に送ってください。

AUTHOR

Fritz Ganter
E-Mail: ganter@ganter.at
http://www.gpsdrive.de

WARRANTY

(著作権表記(大意): このプログラムは無保証です)

This program is distributed in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the GNU General Public License for more details.

COPYRIGHT

(著作権表記(大意): このプログラムはフリーソフトウェアでGPL version2に従います)

Copyright (c) 2001,2002 by Fritz Ganter
This program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or (at your option) any later version.

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