作品解説/「amI ?」
親しい後輩に読ませたら「どこまで実話ですか?」と冗談交じりに尋ねられました。札幌に住んでるときに書いたので、 札幌の街中の描写とかはそんなに間違ってないと思いますし、作品の舞台となる大学近くの定食屋や、アンダーパス化のための 道路拡張工事で消えた飲み屋とかは、実在します。
でも、主人公がそんなに自分に近いとは思いません。主人公が著者と同一視されるよう、意図的に誘っているふしは ありますが。これ書いてるときはまだ私は学生だったので、二十六の自分を想像しながら書いた部分も多少は あると思います。実際には、全然違う形で二十六を迎えましたが。あ、実年齢バラしちゃった。
理屈っぽいですが理論倒れだったり詰めが甘かったりします。それもこれも、「中途半端な自分」に誠実であろうとした 結果かもしれません。
ところで、作中の「講義」について、参考書としてE.バリバール「主体化と臣民化」(邦訳は『現代思想』1998年10月号、 青土社)を挙げておきます。参考書っていうか元ネタですね。アーレントよりはむしろこっちに影響受けてます。
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