作品解説/「ゼリィ・フィッシュの憂鬱」
第90回「文学界」新人賞応募作。今にして読み返してみると、我ながら愚にもつかない駄作だと思うのですが、案外いいとこまで 行きました。つっても3次選考で落ちてますが。
その後、第91回の同賞に応募した作品は、我ながら一世一代の自信作だったのですが、やはり同じ3次選考で落ちました。 すると要するに、私は作品の良し悪しを見分ける目がないということですか。
作中で展開される問題意識だとか、文化背景だとかは、今読むと少々古びた印象を受けるかもしれません。それでも、 他者へのインタレストや、横断的なコミュニケーションの意識なんかは、私がこの頃から現在に至るまで書き続けている 共通のテーゼであるような気がします。つーか進歩してないじゃん俺。
最近、本作の舞台としてイメージした池袋の水族館に行ってきました。(主目的は同じ建物内にある餃子の フードテーマパークだったのですが)
ラッコもマンボウもペンギンも愛らしくて素敵でしたが、やはりミズクラゲのあの浮遊感と美しさにはかないません。 他のクラゲではなく、日本でいちばんありふれた種であるミズクラゲが、やっぱりいちばん美しいように感じました。
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