作品解説/「スイヒラリナカニラミの伝説」



 新人賞の落選が確定したので載せてみました……ってのもアレですが。
 「第14回朝日新人文学賞」に応募し、二次選考で落選しました。そんなわけで2003年3月23日現在発売中の「小説トリッパー春季号」をご覧いただけると、作品名と私の本名が載っております。って本名かい(一人ツッコミ)。
 これまで「文学界新人賞」では2度、二次選考を通過してますから、どうも後退している気配があります。しかし、二次選考くらい通過できれば「あ、もうちょっと磨けば多少は通用するかな」って自信になるし、一次選考すら突破できなければ「ああ、全然ダメだな」と自戒する材料にもなるのですが、「一次通過、二次落選」ってなんか微妙ですね。文学賞の一次審査なんてのは大概「最低限の文章技術が備わっているか」とかそんなとこを見られると思うので、さしずめこの作品は「日本語としての体裁は整っているがそれだけ」というところでしょうか。
 ……って、今回の作品のテーマは「言葉の自明性を疑い、内圧を高め意味を崩壊させること」なのですから……日本語整ってちゃダメじゃん(再度一人ツッコミ)。

 作品の内容としては、基本路線は今までと比べあまり進歩がないですが、「社会人になってから本格的に書いた初めての小説」だったりするので、学生時代と比べて「理論よりフィーリングで書いた」きらいがあります。要は学生じゃなくなって勉強する暇がなくなったから理論が弱くなったってことですね。
 一応思想的バックボーンとして(というより素材として)ハンナ・アーレントの『革命について』(ちくま学芸文庫)を挙げておきましょう。あと、『不思議の国のアリス』とか『マザー・グース』に予備知識があると多少は楽しく読めるかもしれません。




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