鹿児島県沖永良部島、奄美大島、沖縄県の方言

 

                                  鹿児島県沖永良部島と沖縄県の方言は、大部分が共通している。 (=今帰仁方言、国頭方言)
               沖縄を含む南西諸島の方言のルーツは奄美群島か??? 沖永良部島と与論島で使われる標準語のイント
                                  ネーションも沖縄県と似ている。しかし、徳之島以北の奄美大島本島の方言と標準語のイントネーションは奄美
               南部2島と違う 。(=奄美方言) はっげ〜、いもてぃくりてぃ ありがっさまりょうた。めへでぃろ、おぼらだれん。

           
          古代日本の万葉言葉、都言葉、平安言葉が現存する島々=奄美群島と南西諸島

 標準語(大和語) 鹿児島県沖永良部島 沖縄県(本島)  鹿児島県奄美本島 
子供たち
子供
わらんちゃー 
わらび (わらべ=童が語源)
わらんちゃー 
わらび
わらんきゃ
わらぶぃ
 
(自分の)子
子たち
くわー
くわんちゃ
くわー
くわんちゃ
くわー
親子 うやくわー うやくわー
おやくわ
腰を痛めるよ 
腰が痛い
ふし(腰)や(病)ましゅんど
ふしぬやみん 
ふし(腰)や(病)ましゅんど 
ふしぬやみん

ふしやむぃ 
墓参りに来ました

帰ってきました

帰って来ます 
はかめーしーがきちゃん

むどぅてぃきちゃん

むどぅてぃちゅんど 
はかめーしがけー(てぃ)ちゃん
(墓参り=はかめー)
むどぅてぃきちゃん
けーてぃちゃーびん
けーてぃちゅん   
墓参り=はかもりしーがもどぅた
 
家に帰った やーちむどぅたん やーちむどぅたん やーはちもどぅた(南部)
本土(大和)に行く  やまとぅち いちゅんど
 
やまとぅち いちゅんど 
 
つらかった、窮屈だった  くちさー あたん  くちさー あたん 
 
にし (壇ノ浦の方角を北と言わない)
昔、南島落ちした平家の武将たちが、源氏軍が「来た=きた」と聞き違いをしたためである。
にし にし
新北風
 
ミー ニシ、 にしはじ
 
ミー ニシ
 
なはにし、 にしぬかぜ
 
南風 へーはじ へーはじ あらべぇ
あがり、上がり (陽が昇る、上がるが語源) あがり  
東風 あがりはじ あがりはじ まくち
東の家  上がりぬ やー
 
上がりぬ やー
 

 
西 いー (陽が沈む、入るが語源) いー  
西風 いーはじ いーはじ  
天気
 
うわーつき
 
うわーつき、 うわーちち
 
うわーつき
 
天の神様、
拝礼する 
てぃんとぅがなし
とーとぅ(しゅん)、うがみん 
てぃんとぅがなし、うてぃんがなし
とーとぅがなし、 うがん

う(お)がむ
ご先祖様 うやほー、 おやむとぅ(親元) うやふぁー、 うやーふぁーふじ おやふじ、 おやむとぅ
魂を抜かれる まぶい ぬかとぅん まぶい(まぶや) ぬかとぅん まぶりわはし
島から出ていく
しまからいじてぃいちゅん しまからいじてぃいちゅん  
魚釣り いゆーくわーしー いゆーくわーしー つぃるり
ありがとう めへでぃろ にへーでびる ありがっさまりょうた
いらっしゃい めんしょり めんそーり いもーり、 いもりんしょり、いもれ
早く準備しなさい へーさ しこりよー へーく しこりよー  
牛にえさをやりに行ってきます 牛に むんかましがいちゅんど 牛に むんかましがいちゅんど  

 
みゃー
 
まや
 
まや
 
まが まが まが
子孫 くわーまが くわーまが くわーまが
おばあさん
 
あじ (按司が語源)
 
おばぁ、 うすめー
 

 
おじいさん じゃーじゃー おじぃ、 たんめー  
兄弟
兄弟姉妹
きょうでい
うない
ちょうでいぐわー きょうで
うなぐぬきょうで
ねんねー、 あや
あやぐわ
ねんねー あごぐわ、 あっしぇ、 あっしぇぐわ
みー やっちー(あっぴー) むぃー、やくめ(やんめ)
平家の森
    へいけぬ むぃー
むぃー
うなぐぬくわー うなぐぬくわー うなぐぬくわー
息子 いんがぬくわー、ゐんがぬくわー い(ゐ)んがぬくわー い(ゐ)んがぬくわー
あちゃ すー(たーりー) ぢゅう、あじゃ
あま  (尼が語源) 二位の尼=平時子 あんまー あんまー、 おっかん
いんが、 ゐんが いんが、 ゐんが いんが、 ゐんが
うなぐ (おなごが語源) いなぐ うなぐ
親戚 はろじ はろじ はるじ
痛! あがー あがー  
痛む やみん やみん やむり
治るよ のーいんど のーいんど  

畑仕事
はって、はる
はるしぐとぅ
はる
はるしぐとぅ
はって、 あたり
田んぼ たー たー たー
ふみ、めー めー ぐむぃ
大事、大変なこと
やっかいなこと
でーじーど
やっけなむん
でーじーど、 でーじーなとぅん
やっけー
てぃまらっきゃさばくり
今が大切 なまどぅ でーじーど なまどぅ でーじーど、  
さとうきび うじ うじ うぎ
若い娘さん めぇらび みゃーらび めぇれー、めぇーらぶぃ
お金がかかること じんぬ かーいんど じんぬ いりゅんくとぅ  
苦労しているよ
 
なんじ(難事)しゅんど
 
なんじ(難事)しゅんど
 
なんぎ(難儀)しゅん
 
若いときから苦労してきた わかさあーにからなんじしーきちゃん わかさあーにからなんじしーきちゃん  
本土の人
内地の人
やまとぅちゅう やまとぅんちゅう
ないちゃー
やまとぅちゅう
美しい、きれい ちゅらさん(和泊町) (清らかが語源)
きらさん(知名町)
ちゅらさん きゅらぁ、きょ(清)らぁ、きょらさん
巫女、神女、霊媒師 ユタ ユタ ユタ、 ノロ
わかっている、わかった

わかりましたね
わかとぅんど、わかたん

わかてー
わかとぅんど、わかたん
わかとぅさな
わかとーがや
 
島の人
 
しまんちゅ
 
うちなんちゅう、
しまぐわー
しまんちゅ、
あまみんちゅ 
数字1,2,3,4 てぃーち、たーち、みーち、ゆーち てぃーち、たーち、みーち、ゆーち いつぃ、たーつぃ、みーつぃ、ゆーつぃ
あなたはがんばっている
これからもがんばってね
うら ちばとぅんや
なまから ちばりよー
いやー ちばとぅんや
なまから ちばりよー
きばりよー
違うよ ちごいんど、あらんど ちごいんど、あらんど  
愚か者、おばかさん ふりむん (ふれもの、惚れ者が語源) ふらー、ふりむん ふりむん
賢い人、 道理をわきまえている しぎらー じんぶなー  
こんにちは
おじゃまします
ごめんください
うがみやぶら はいさい
うがみんそーいん
ちゃーびら
うがめらぁ、うがみやヲろ
動物 いちむし いちむしぐわ いきむん
美人 ちゅらうなぐ ちゅらかーぎー きゅらむん、きょら(清ら)むん
きゅらさぬうなぐ
美人の反対 うっさん、
うてぃぐちあふぁ(=おこぜ)、しょうにみーふがちゃぬうっさむん(骸骨に穴を開けたような○ス)
やなかーぎー ばしゃやま
好男子 ちゅらいんが、 ちゅらちゅう ちゅらいんが きょ(清)らいぇんが
太陽(直射日光が強い) てぃだぬ つーさんど てぃだぬ つーさんど てぃだ
味がおいしい まさん まーさんやー まーさ
まずい にちゃん にーじゃむん にちゃり
食べ物 かみむん かみむん かみむん、かんむん
食べて下さい みしょり、 かみよ かみよ みしょるり
お膳 じぬ じぬ じん
菓子 くわーし くわーし くわーし
みじ みじ むぃずぃ
(果物)  グアバ バンシロ(バンシル) バンシロ バンシロ
すわってごらん いちん、いちみー いちなーみ  

飲んだくれ
酔っぱらい
さき、 さい、 しゅうむん、 しろ
さきくぃむん
さき
さきくぇー
いーっちゃー
さい
三味線
さんしる、 さんしん
さんしん
さんしん
歌って下さい うとてぃん、 うとり うとてぃん、うとり おたうり、 うとり
上手になっている じょうじ なとぅん じょうじ なとぅん じょーずぃ
私(わたしが)
私は島の人です
わん、わぬ(わーが)
わな(わん)、しまんちゅど
わんねー(わーが)
わんね− うちゅなんちゅど
わん
わん、あまみんちゅど
私たち わちゃ、わきゃ わちゃ わきゃ
あなた。
あなたはだれですか。
うら、(敬語=なた)
うら、たるよ
いやー、(敬語=うんじゅ
うんじゅ=雲上人(うんじょうびと)
殿上人が語源

たーえんせーが
うら
あなたはどう思いますか うら、いちゃ、うむとぅよ いやー、いちゃうむいんが  
あなたたち うーちゃ、うーきゃ   うーきゃ、なーきゃ
これはあなたが決めることではない
一人で決めてはならない
ふりは、うらがきみてぃはならんど

ちゅいし、きみてぃはならんど
ふりは、いやーがきみーしあらん

ちゅいし、きみーしあらん
 
(私に)まかせなさい まかちゅき まかちょーけ  
暑い あっつあん あちさんやー あついさり
寒い
寒い夜(冬)
ひーさん
ひーさぬゆる(ふゆ)
ひーさん
ひーさぬゆる(ふゆ)
ひーさん、 ひぐるさり
ひぐるさんゆる(ふえ)
雨が降っているね あみーふとぅんや あみーふとぅんや あむぃふとぅん
出てくれば(一緒に)遊ぼう いじてぃくりば あしばー いじてぃくりば あしばー あすぃばー
うれしいです ほうらしゃん ほうらしゃん ほうらしゃん
どうして? 何ですか? ぬが ぬが  
さがしてきなさい とめてぃ くー とめてぃ くー  
(驚きの表現) あら、おや、え〜 あべ あべ はっげ〜
知っている しちゅん しちゅん しちゅん
悪者、 悪人、 情け知らず
がら悪い
わろ、 ちゅしなしゃ、わたくろ
やなむん、 がらわるさん
わっさん、
くんじょーわるー
あくにん、わるさんちゅう(南部)
青い おーさん おーさん おーさり
砂糖 さた さた さた
黒砂糖 くるざた くるざた くるざた
ひび、 まじむん   まずぃむん、 まずぃにぃ
子守り くわーむい くわーむい くわーもり
(魚) ベラ くさび   くさび
正月 しょうがち しょうがち しょうぐわつ
お盆 しょうろう (精霊)    
草履(ぞうり) さば さば さば
炊事 じょーしち じょーしち じょーしき
人の家 ちゅうぬやー ちゅうぬやー ちゅうぬやー
おもしろい みじらしゃん (めずらしいが語源) うむっさん むぃずぃらぁ(みじらぁ)
人見知りする ちゅうみしり しゅん やまかーがー ちゅうみしり しゅり
やめて下さい
許して下さい
やみてぃくりりよ、
ゆるちたぼり
やみてぃくんそーれ
ゆるちたぼれ
大島紬を織る人々 つむぎ うゆぬ ちゅんちゃ   つむぎ うるん ちゅんきゃ
空腹な よーしゃん やーしゃん、やーさん よわさり
仕事 しぐとぅ しぐとぅ しぐとぅ、 わく
ちぶる、かまちー ちぶる つぃぶる、かまち
さつまいも うむ うむ はんすぃ(hansi)、はぬす
転ぶなよ まんげぇなよ まんげぇなよ まんげぇなよ
味噌 みしゅ   みす
もち むち むち むち
昔話 むんがたい むんがたい むんがたれ
ほーら かー、かーら はりこ
バナナ ばしゃむん ばさない ばしゃむぃー
悔しい、残念だ、悲しい ちむぐるしゃん   (肝苦しいが語源)   きもぐるしゃり
やさしい、心がきれい ちむじゅら (肝=心が清らかが語源)
ちむじゅらさん
ちむじゅらさん  
あわれ (哀れだ) あはれ、 あはれしゅん あわり あはれしゅん
横着者、からかう人 なぶる なばくいーん  
ひに ひに ふぬぃ

今から行きます
なま
なまからいちゅんど
なま
なまからいちゅんど
なま
昨日 きにゅ きにゅ きにゅ
今日 ひゅう ちゅう きゅう
心細い、淋しい とぅでぃなさむ、とぅでぃなさん
(とぜんなか=徒然なかが語源)
  とぅでぃなさん
明日 なーちゃ なーちゃ あちゃ
やきもち、嫉妬、うらやましい
(平安言葉=うわなり)
うわない (うわなりが語源)
にーたさすん  
早朝 (平安言葉つとめて) しとぅみてぃ (つとめてが語源)   すぃとぅみてぃ
昼間 ひんま ひんま ひんま

また夜に来て下さい
ゆる
またゆるもーりよ (ゆるめんしょーりよ)
           もーり=参るが語源
ゆる
ゆる
またゆるいもーれ
生活のやりくりを知らない むんくれみち あてぃなん    
着物 ちばら   きん

沖永良部島では和泊町と知名町の方言が少し違う。奄美本島では、北部と南部の方言が若干違うものがある。沖縄本島と八重山諸島も違う。
奄美本島と徳之島では音韻が変わる。がん(gan)→ぐわん(gwan)、しー(shi)→すぃ(si)、みー(mi)→むぃ(mui)、すー(su)→しゅー(shu)、け(ke)→き(ki)
                        ち   (chi)→つぃ(tsui)  
 
奄美大島本島では、生粋の奄美方言を使うのは少数の年輩の方たちで、多くの人は、各市町村の方言と標準語が混ざった「トン(ウム)普通語」と
呼ばれている標準語に近い言語を使用している。

南西諸島全体の特徴として母音 a (ア)i(イ) u(ウ) e(エ) o(オ)のうちエとオの音が少ない。オがウに、エがイに

ト(to)がトウ(tu)に、テ(te)がてぃ (ti) に変わる。母音は あ(a)、ゐ(yi)、う(wu)、ゑ(ye)と発音する。
(例) 天→てぃん(tin)  おなご(女)→うなぐ(wunagu)

平安言葉の母音は、a(ア)、i(イ)、yi(ゐ)、u(ウ)、e(エ)、ye(ゑ)、o(オ)の7通り。
奄美群島と南西諸島の母音も、a(ア)、i(イ)、yi(ゐ)、u(ウ)、e(エ)、ye(ゑ)、o(オ)の7通りだが、
o(オ)の母音が少なく、o(オ)がu(ウ)またはwuに変わることが多いので、正確には6通り。

標準語で最語尾が「〜です」で終わるものは、「〜さん」「〜しゃん」に変わる。
(例) きれいです→ ちゅらさん、きゅらさん  うれしいです→ほうらしゃん
「う」「る」「の」が「ん=n」に変わるもの
(例) ひるま→ひま  もの→む

 標準語  奄美と南西諸島の方言  標準語  奄美と南西諸島の方言
 親(おや)     仕事(しごと)   しぐとぅ 
 やまと  やまとぅ   もち  
 拝む(おがむ)  がむ、がみん   夜(よる)   
 黒(くろ)    く   者、物(もの)     

小さい、年下の兄弟という意味で語尾に「〜ぐわ」をつけるもの

 標準語  奄美と南西諸島の方言  標準語  奄美と南西諸島の方言
2人の兄のうち2番目の兄 みーぐわ 小さいびん びんぐわ
2人の姉のうち2番目の姉 あやぐわ、 あしぇぐわ 犬や猫などの小動物 いちむし(ぐわ)

平安時代の言葉が音韻を変えて残っているもの

早朝 →平安ことば「つとめて」→島の方言「しとぅみてぃ」
嫉妬、やきもち→平安ことば「うわなり」→島の方言「うわない」
平安時代は一夫多妻制になっていて、第一夫人のことを「こなみ」、第二夫人のことを「うわなり」と呼んでいた。
本妻が後妻をうらやんだ(妬=ねたんだ)ことから「うわなり」と呼ぶようになった経緯がある。

許して下さい→「ゆるちたぼれ」→「たぼれ」も平安ことば
あなたの敬語 うんじゅ=平安ことば 雲上人(うんじょうびと)、殿上人(でんじょうびと)が語源

音韻が変化した島の方言(=しまくち)の語源である都ことばはすべて平家の落人によってもたらされた。

奄美群島や南西諸島(沖縄諸島)で昔からユタ(神女)、ノロと言われていて神事に携わる人々は女性である。
また沖永良部島でおばあさんのことをあじ(Aji)と言うが昔の島の役人名である按司(あじ)が語源と思われる。
中世の奄美や沖縄では村落共同体意識が強く、女性の地位は高かったが、江戸時代末期に薩摩の支配下に
入ってから
家長制度が導入されて以来(封建的な)男尊女卑的な考え方が浸透してきた。


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