くまの
パディントン
から
身を護る方法
ブラウン一家はくまのパディントンを家族に迎え入れた。この失敗が、いかに高くつくか夢にも想わず
パディントンの最後に撮られた写真、Arubaにいたとされる。彼に自責の念がないのは明らかだ
「どうすれば私たちにあの時それが判ったというの?」
取り乱したブラウン夫人は、今日までそう言っている。「あのくまは何も悪気はなさそうだったんだから」

いや、誰にも判らなかったに違いない。みるからに純真な、にこやかなくまが、 ロンドンのパディントン駅で、「このくまの面倒をみてやってください」と 書かれた札を首に下げて、スーツケースに座っているのを見て、 誰が疑いなど持つだろうか。だからブラウン夫妻には、この若いくまの パディントンが、彼らの住むウィンザーガーデンの閑静な住宅街に もたらす破壊的な災害を、予見することなど決してできなかっただろう。 しかしそれは荒れ狂った恐怖のつむじ風のようなものだった。 家政婦は振り捨てられ、置き去りにされた。 近所の骨董品屋の主人は破産させられ、投獄の憂き目にあった。 だが何より酷かったのは、ブラウン氏とその二人の子供が 犠牲になったことであろう。

*

スコットランドヤード長官の
ジョンスティーブンス卿 (訳注:Sir John Stevensは、 ダイアナ妃の死亡事件の調査を主導していた) がその電話を受けた時、 彼はまだ下っ端の捜査官だった。「あんな話は聞いたことなかったよ」と スティーブンスは言う。「今日までこんなにぞっとした経験は他になかった。 女王の裸を見た時以上だったんだ」

実はスティーブンスがくまのパディントンの写真を見たのは、その時が初めて ではなかった。「我々は非常に多くのペルー人テロリストが、くまに変装して 英国に密入国している事実を知っていた。ブラウン夫妻が奴を見つけた時、 奴のスーツケースにはリマの港湾局のステッカーがまだ貼ってあったんだ。 彼らはその時点ですぐ怪しいと疑うべきだったよ。 だがまあ、我々英国人は、なんというかちょっと抜けてるからな、 多分なんとも思わなかったんだろう」

今日では、ブラウン夫妻が連れて帰って「パディントン」と呼んでいた男は、
ツパクアマル革命運動 の幹部、本名デズモンド・ホセ・ルイであったと 推測されている。ルイはペルーで15人を殺害したことが知られており、 或いはその容疑がかけられており、彼の犯罪に対する政府の報復を避けるため、 国外に逃亡を企てた。彼は古ぼけた救命艇でリマの港を出発し、海水だけで 命を繋ぎ、陽光輝くロンドンの海岸へ辿り着いた。

ブラウン家の家族はすぐにルイを気に入った。また彼はその家の孤独な家政婦、 バード夫人の愛をも得た。慢性リューマチに苦しむ彼女は、ルイの物静かで 上品な人柄を好んだ。二人は好色な秘密の関係を結び、二人だけの時間を 激しい行為に耽って過ごした。彼女は次第にルイが持ってきた瓶の中身に 取り付かれた。その瓶には「オレンジマーマレード」と書かれていたが、 今ではその中身は液化モルヒネとゼリー状ヘロインの混合物であったことが 知られている。いかなる時もルイはその真実の姿を人に見せることはなく、 彼女は彼が、抱きしめたいような可愛いらしいくまちゃんではない他の何者か であるかも知れないとは、一瞬として疑うことはなかったのである。

ルイは、その頃には合法的に名前をPaddingtonに変えられる戸籍変更書類を 手にしていたが、彼の反逆者仲間に資金を提供するため、 ペルーに送金する目的で、犯罪行為を始めるための共犯者を探し始めた。 近所の骨董品屋の主人のグルーバー氏という人物が、彼はペルー人に同情的で、 同性愛者としても知られていたが、パディントンと恋に落ち、彼の手先として 働くようになった。彼は40件を超える強盗事件でパディントンの共犯となり、 20万ポンド以上を強奪したと見られている。さらに彼らは、非常に利益の 上がる干し葡萄とココアのブラックマーケットを組織し、非常に効率的に 英国の高率な関税を逃れていた。

同じ時期、ブラウン家周辺では、ブラウン家の若い兄妹ジョナサンとジュディ が、この不思議なくまの呪縛に陥っていた。パディントンは彼が着手した ささやかな詐欺の共犯として二人を引き込んでいった。ジョナサンは無慈悲な のみ屋になり、賭け金を払えない客の脚を枝打ちのように切り落としたと されている。ジュディーブラウンはウィンザーガーデンスパの経営者となった が、これは実は売春宿で、
FalcoJoe Robinson、チャールズ皇太子のような、 非常に地位の高いセレブが常連となった。

この組織犯罪は、ある暗い秋の日の午後に、ついに終焉を迎えた。 ジョナサン、ジュディー、グルーバー氏、そしてパディントンは、 英国史上最も大胆不敵とされる列車強盗を協力して行い、 70万ポンドと12ケースのTanqueryドライジンを強奪した。 何がうまくいかなかったのか、正確なところは明らかではない。 しかし、その後に起こったことは、実に恐ろしいことであった。 パディントンはバード夫人とその強盗の日に結婚することを約束し、 それによりバード夫人を確実に外出させようとしたが、 その過程で何か都合が悪いことがあったのであろう。 彼女は治安判事の事務所で何時間も待ったが、パディントンは現れず、 彼女のリューマチはひどく悪くなってしまった。 彼女は今バス市近郊の回復支援ホームに住んでいる。

パディントンはグルーバー氏に、彼はまだこのくまとの関係が続いていると 思っていたが、強盗の彼の分け前を放棄するよう言った。 パディントンは出国し、グルーバー氏は独り希望を奪われて残された。 彼の評判は報道により地に落ち、彼の骨董品屋は破産した。 グルーバー氏は、合衆国政府の前メンバーで今は 州証人協会(State's Witness?)に転身したスモーキー T. ベア氏と会見し、 (訳注:スモーキー T. ベアは、Smokey the bearと呼ばれる、 森林火災防止看板のマークの熊のことと思われる。 このページの絵も参照) 現在は英国証人保護プログラムの下、ブラジルで暮らしている。

ジョナサンとジュディーはそう幸運ではなかった。彼らはウィルトシャーの 小麦畑で、父親の隣にうつぶせになった状態で発見された。強盗事件での ブラウン氏の役割は判っていない。

パディントンは今も国際指名手配されながら逃亡を続けている。 彼は身長約70センチ、いつも帽子とダッフルコートを身に着けている。 彼はスーツケースを持っており、その中には隠しポケットがあり、 秘密書類と、彼の犯罪の証拠となる戦利品が入っていると当局は見ている。 彼は強度のモルヒネとヘロインの中毒者で、「マーマレード」と書かれた 小さなガラス瓶に薬を入れて常に持ち歩いている。 もしこのようなくまを見かけたら、 すぐにお近くの警察署か獣医師(veternarian?)にご通報ください。
この記事は液化モルヒネのスマッカーズの提供でお送りしました。
スマッカーズの名に恥じない、腰を抜かすほどのすごい効き目!
(この訳ぜんぜん自信ありません)
オリジナルのトップページ:180 DEGREE TURN TO THE FROO FROO
オリジナルページ:HOW TO AVOID PADDINGTON BEAR

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